吉四六(きっちょむ)の家に毎日のようにカラスが飛んできます。このカラスを何とか売れないかと吉四六はあれこれ考えた結果、彼は一羽のキジを籠の上に止まらせて、籠の中にありったけのカラスを詰めて行商に出ました。彼は売り文句に「カラスはいらんかね」と言いました。ある客が籠の上に載っているキジを見て、吉四六がカラスとキジの区別も付けられないで売っているのだと思いこみました。欲の深いその客はこのキジをカラスの値段で買って大もうけを企み、吉四六は言葉通りカラスを客に渡しました。客が文句を言いましたが「キジは看板だから売らない。わしはカラスはいらんかねといったが、キジを売るとは一言も言っていない」と言ってのけ、結局彼はカラスを一羽も残らず売ってしまいました。このような吉四六の頓智話は江戸時代初期に、豊後国野津院で庄屋だった廣田吉右衛門をモデルに作られたと言われています。「きっちょむ」と言う名は「きちえもん」が豊後弁によって転訛したものです。この大分県の代表的民話の主人公を冠し、大分県の二階堂酒造は麦焼酎を比較的永く貯蔵し、じっくりと熟成させ特に香りを重視し仕上げられた最高級品の大分むぎ焼酎二階堂吉四六を完成しました。麦の味わいがしっかりしてコクとまろやかさを持った焼酎です。
更新日時 : 2017年05月05日
カテゴリ : 日本のお酒