180年ほど前、スペインの植民地支配下にあったベネズエラでは、現地民のインディオやアフリカ黒人奴隷がコーヒー・ココアの栽培や金の採掘といった労務に酷使されていました。これを見て立ち上がったのが、のちにコロンビア大統領となったシモン・ボリバルです。
ボリバルは、コロンビア独立軍を率いて戦い、ベネズエラ独立へのきっかけを作りました。1820年代のことでした。この戦いのさなか、ベネズエラ・オリノコ川流域にあるアンゴスチュラの町にあった英国陸軍病院でアンゴスチュラ・ビターズは生まれました。この病院において、ベネズエラ解放軍の軍医として従軍していたドイツ人医師J・シーガート博士が食欲不振・胃の疾患を訴える兵が多いのを見て、1824年にある薬用酒を考案しました。これがアンゴスチュラ・ビターズです。このアンゴスチュラ・ビターズはジェンシアン(りんどう属)を主体に、シナモン・キナ皮・アンジェリカ・コリアンダー・アーモンド・ナツメグ・カルダモンなど各種薬草と香辛料をラム酒に浸漬して作ります。健胃・強壮・解熱の薬効があり、西インド諸島ではマラリアの予防薬として用いている所もあります。また現在でもBarなどでは胃薬的な扱いをしている所もあります。現在は、ベネズエラの政情不安のため、アンゴスチュラ(のちに英雄の名をとってシウダド・ボリバル市と改称)からトリニダードトバゴに移り、生産しています。最近飲み過ぎたというお方は、ジントニックなどに数滴アンゴスチュラ・ビターズを入れて飲んでみたらいかがでしょう。風味もまし、調子もよくなること請け合いです。マンハッタンもいいですよ。
2018年冬季分の茜霧島が入荷しました。
2014年秋より、南国を思わせるような“フルーティーな香り”を特長とする茜霧島を数量限定で、年2回霧島酒造は販売しております。原料芋のタマアカネは高カロテンによる明るく色鮮やかなオレンジ色で、高カロテン種特有の柑橘系の香りがある焼酎を生み出します。酵母には、観賞用サツマイモ「花らんまん」の花から採取した霧島酒造独自の「芋の花酵母」を使用し、タマアカネが持つ香りを最大限に引き出しています。「香り」「味わい」ともに、これまでの「霧島」ブランドの中で最もはなやかな芋焼酎です。『茜霧島』は、フルーティーですっきりとした味わいから、シーフードのカルパッチョやキノコのアヒージョ、ホタルイカのマリネなど、白ワインと相性の良いお料理が食べ合わせとしておすすめです。またドライフルーツやスイーツとの相性も良く、食前、食中、食後のどのシーンでもお楽しみいただけます。
天保3年(1832年)創業の山口酒造所は久留米市にあります。有馬藩に5代目山口利七が酒造業の許可を得たことから始まります。1羽のうぐいすが庭の湧き水で喉を潤す姿から酒に庭のうぐいすという名前を利七がつけました。さて、庭のうぐいすだるまラベル特別純米酒は、10代蔵元が追及した“熟成した純米酒を温めて”を今に伝える一本です。1〜2年の歳をかけ、じっくり米本来の旨みを引き出しました。辛口でキレがよく、幅広い料理とよく合います。温めることで、より米の旨みが料理に溶け込む印象を楽しめます。冬の寒い時季には最適の清酒です。
更新日時 : 2018年01月12日
カテゴリ : 日本のお酒