2018年11月の酒店日記

ワイルドターキーのラインナップのひとつである、ワイドターキーライは、実は私のバーボンの中での最もお気に入りです。本来バーボンは、51%~80%のトウモロコシであることが条件ですが、そのほかライ麦、小麦、大麦を原料としています。ライウイスキーの場合は、ライ麦比率が51%以上あります。ワイルドターキーライは、4~5年熟成の原酒を使用しており、バーボンより甘さ控えめのスパイシーな味わいが特長です。私は、本音を言うとトウモロコシ臭が若干苦手で、スコッチウイスキーを飲む頻度の方が高いのですが、このワイルドターキーライだとトウモロコシ臭が控えめで、お気に入りの一つになりました。スコッチ派の方でも満足いただけるバーボンウイスキーです

更新日時 : 2018年11月30日
カテゴリ : 世界のお酒

明治24年(1891年)、 宮崎県えびの市で明石仁右衛門が焼酎の製造を始めて、127年になります。明治24年と言えば、ロシア帝国の皇太子ニコライが滋賀県大津町で巡査津田三蔵に切りつけられ負傷した大津事件があった年です。時の政府は大逆罪を適用し死刑にするよう圧力をかけましたが、大審院院長児島惟謙は刑法に外国皇族に関する規定はないとして一般人に対する謀殺未遂罪を適用し無期徒刑に処しました。司法の独立が護られ、日本が近代国家として認められるようになったという有名な事件です。このような明るい近代日本に貢献しようと、明石酒造は、代表銘柄明月を作りました。人々の心が満月のように、まあるく明るく円満に、そして平和にとの願いがこめられ、えびの高原に群生する赤松にかかる満月を表しています。南九州産さつまいも「コガネセンガン」を主原料に、白麹で仕込んだ芋焼酎に、米焼酎をブレンドすることにより、芋の香りを和らげ、ほんのりとした香りと口当たりのよい本格焼酎に仕上がりました。後味に残るほどよい絡み(苦み)がクセになる、大人の味わい「最高の切れ味」です。

更新日時 : 2018年11月23日
カテゴリ : 日本のお酒

1839年、アイルランドのひとりの青年がケンタッキー州のフェアフィールドへ辿り着きました。その青年の名はヘンリー・マッケンナ。故郷アイルランドの蒸溜所で働いていた時の経験をいかし、彼は『幻のウイスキー』をつくることになります。それは1855年のことでした。ほとんどの行程がハンドメイド、だからこの当時は一日一樽にも満たなかったのです。マッケンナは質が低下することを何よりも嫌いました。深いコク、熟成感溢れたその風味は人々の評判になり、手に入りづらいこともあってか、いつしか『幻のバーボン』と呼ばれるようになりました。限定した生産、そして譲渡不能の販売許可証。アイリッシュ魂はバーボンの傑作を生んだのです。バーボンと言われるには、第1に原料となる穀物の51%以上がトウモロコシであること、第2に新品で、かつ内側を黒く焦がしたホワイト・オークの樽で2年以上熟成されていること、第3に160プルーフ以下で蒸溜、125プルーフ以下で熟成されていることです。ヘンリー・マッケンナはその条件に、さらに3つの独自の方法をとっています。一つは、酸を抑えるためにモロミを一度醗酵させ、蒸溜した後に残ったモロミを25%以上加え、72~96時間かけて醗酵させる方式、サワーマッシュ方式をとっています。二つ目は、ホワイト・オークは、直径16インチ以上に成長したものから厳選して、樹脂分の少ない秋から冬にかけて伐採し、6ケ月~1年かけて自然乾燥させます。さらにオーブンに入れ樹液を除いてから樽づくりへ。次に樽焦がし。1回約1分ほど火をいれること5回です。三つ目は風通しをよくするために、広々とした場所に熟成庫を建て、窓を大きくとります。こうしてケンタッキーの自然に抱かれ、まろやかで定評のヘンリーマッケンナを熟成させます。バーボンも旨いですね。

更新日時 : 2018年11月16日
カテゴリ : 世界のお酒

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