19世紀、フランスのブドウ栽培が害虫によって大きな被害を受けた際、遠く離れたチリにおいて、純粋なフランスの苗木が守られました。以降、フランスなどからブドウ栽培を求めて移住し、チリにはフランス風の豪華なシャトーが今でも残ります。また、チリが、ワイン主要生産国の一つであるスペインの植民地であったことも、チリにワイン文化を根付かせるようになりました。日本とチリは、2007年にEPA(経済連携協定)を締結し、そこから2019年まで、段階的に輸入関税をゼロにする取り決めをしました。それ以来、安くて美味しいチリワインの輸入量は増え続けています。今回ご紹介するアラメダ・シャルドネは、爽やかなフルーツの味わいでバランスの良いチリの白ワインです。手軽にランチなどで飲まれるには、最適でしょう。
更新日時 : 2018年02月23日
カテゴリ : 世界のお酒
福岡市の近郊糸島で安政2年(1855年)白糸酒造は創業しました。吊るした酒とこうじの入った袋を、ハネ木と呼ばれる巨大な木を使って酒を搾る「ハネ木搾り」は全国でここ一軒のみに残る製法です。毎年春に行われる新酒搾りと蔵開きはテレビにも放映される糸島の風物詩です。
酒蔵はその名のとおり白糸の滝の下流に位置し、清らかな水と周囲の田んぼで作られた山田錦から生まれる酒は、雑味が少なく、まろやかな口当たりと芳醇な香りが特徴です。さて、白糸(しらいと)55純米吟醸は福岡県糸島産「山田錦」を55%精米し丹念に仕込んだ、フルーティーな香りのお酒です。甘くもなく辛くもなく、大変飲みやすいお酒に仕上がっています。
更新日時 : 2018年02月16日
カテゴリ : 日本のお酒
もともとマラスキーノは、ダルマチア地方で、神のお酒として伝統的に作られてきたリキュールでした。原料となるマラスカ種チェリーは、小さくて黒くて苦みが強く、乾燥させて安く売るだけの商品価値しかない無価値なフルーツです。そのマラスキーノが一躍脚光を浴びたのが、ナポレオン戦争のときでした。全ヨーロッパが武装し、各地で戦いが繰り広げられる中、兵士たちはマラスキーノのような強いお酒に群がりました。よりいっそう酒精を強くしたショック・マラスキーノも作られ、ダルマチア地方は時ならぬ活況を呈することになります。しかし、ナポレオン戦争の終結とともに、マラスキーノは見向きもされなくなります。イタリアのルクサルド社の創業者であるジロラモ・ルクサルドが登場するのは、マラスキーノ業界が暗雲におおわれていたこの時代です。彼は原点に立ち返り、それをさらに洗練させた新しいタイプのマラスキーノ作りに挑戦していきます。納得のできる洗練された豊潤な香味が得られるまで、彼は何度も蒸留実験を繰り返したといいます。ジロラモ・ルクサルドがダルマチア地方に最初の工場を建てたのは1821年、彼が37歳のときでした。8年後には、時の権威であったオーストリアから専用製造権という特権を授与され、ルクサルド・マラスキーノはリキュールとしての確固たる地位を確立していくことになります。マラスキーノ・ルクサルドは世界中に輸出されていきました。このリキュールを最も愛したのがオーストリア皇帝でした。ルクサルド・マラスキーノの飲み方は、チェリーの濃厚な味わいを生かしたカクテルが一番です。単にソーダで割るだけでもさっぱりとして美味しいです。また、カクテル以外にも製菓用として世界中のパティシエに愛されています。
更新日時 : 2018年02月09日
カテゴリ : 世界のお酒