ワインは、紀元前1500年ごろにギリシャに伝わったと言われています。ただ、紀元前3000年にはクレタ島やサントリー二島でワインが取引されていた証拠も見つかっているので、もっと歴史は古いかもしれません。ギリシャ神話によれば、ワインをギリシャにもたらしたのは酒神ディオニソス(バッカス)ですが、実際には現在のレバノン周辺に住んでいたフェニキア人という民族によって伝えられました。フェニキア人によって伝えられたワインは、ギリシャ人によって盛んに造られるようになりました。そして、紀元前1100年ごろには、ギリシャは有数のワイン輸出国となったのです。さらに、ギリシアのポリスは、フランスのマルセイユ、イタリアのナポリやタラント、シチリア島のシラクサ、トルコのミレトス、スペインのカルタヘナ等多くの植民地を作り、ワイン製造技術を、地中海世界全体に広めていきました。また、古代ギリシャでは、ワインは飲用だけでなく、薬としても利用されていたとされています。古代ギリシャの医師で、医学の父とも呼ばれるヒポクラテスは、ワインについて解熱作用や利尿作用、疲労回復などの効果があると書き記しています。昔から、お酒を飲みすぎると害になるが、適度に飲むと百薬の長であることが認識されていたのですね。