鎌倉時代初期、源頼朝は島津家の祖島津忠久と共に京都常楽院住職宝山検校に祈祷僧として薩摩吹上へ行くように命じました。吹上で人々の幸せのために様々な活動を検校はしていました。ある夜のこと、大地を叩き付けるような雷雨とともに竜巻が起こり空から大蛇が舞い降りたのです。そこで検校は、吉事の兆しとされる琵琶を弾じ、懸命に祈祷を続けました。すると、大蛇は大龍となって、黒雲の中を泳ぐように逃げていきました。検校が忠久公から与えらていた中島常楽院は、大きな湖にあったのですが、天空も白み、夜が明けるころ、すーっと水が引き、一帯は平地となりました。やがて、そこは田畑となり、吹上の人々に富をもたらしました。東シナ海に面し、日本3大砂丘に一つに数えられる吹上浜を抱く薩摩半島西海岸のほぼ中央、吹上町をふるさととする西酒造は、宝山検校を由来として、宝山シリーズのお酒を作り出しています。その宝山シリーズに宝山梅乃酒3年熟成が加わりました。梅の実もヘタを取り除き、一つ一つ丁寧な下処理をすることで、澄んだ味わいを実現しています。また仕込みにはイタリアより取り寄せたワイン用の循環可能なタンクを使用して、薩摩宝山の原酒に国産梅を漬け込み3年の貯蔵の間も味の均一性が保たれ質の良い梅酒が出来上がりました。芳醇な香りと滑らかな飲み口、まろやかに仕上がった上質の梅酒を一度ご賞味あれ。
更新日時 : 2016年02月13日
カテゴリ : 日本のお酒