45年以上も前、最初に飲んだウイスキーはサントリーレッドでした。当時、ウイスキーにも1級2級の格付けがあり、レッドは2級でした。角は特級で、贈答品に使っていました。そんな時代、ある友人が「ジャックダニエルは旨いよ」と言いました。当時、私は酒屋の息子であるにもかかわらず、スコッチとバーボンがあることも知らず、「へえ、カッコイイ名前のウイスキーだな」と思いました。バーボンいやテネシーウイスキーの定番中の定番がジャックダニエルであることを知ったのは、ずっと後でした。1850年、テネシー州リンチバーグでジャスパー・ニュートン・”ジャック”・ダニエル(1850年-1911年)は貧困な家庭で生まれ、家族の友人に預けられ7歳からルター教会の牧師であり蒸溜所のオーナーであったダン・コール家に雇われる事となりました。それをきっかけにジャック・ダニエルはダン・コールからテネシー・ウイスキー独自の製造法である原酒を樽詰めする前にサトウカエデの炭でろ過する「リンカーン郡製法」と呼ばれるチャコール・メローイング製法でのウィスキーの造り方を教わりました。1863年9月には牧師としての仕事に専念するためにダン・コールは、13歳であったジャック・ダニエルに蒸溜所を譲り、そこからジャック・ダニエルとしての本格的なウィスキー造りが開始されました。1866年には自身で作ったウイスキーを自分の名前を刻んだ陶器のジャグに詰め込み販売を始め、同年に政府が酒類にも課税すると見込み蒸溜所を政府に登録し、アメリカにおいては初の政府公認の蒸溜所となりました。ジャックダニエル・ブラックがメジャーになったのは、1904年のセントルイス万国博覧会で、世界のウイスキーの中で唯一の金賞を受賞したからです。アメリカを体現するお酒ジャックダニエル・ブラックをどうぞ!
更新日時 : 2017年12月22日
カテゴリ : 世界のお酒