酒店日記

 

1900年頃 明治政府は鹿児島の家庭での焼酎製造を禁止して、集落ごとで製造していました。江戸時代、薩摩阿久根は諸白(もろはく)と言った焼酎と国分煙草を生産していましたが、これらは薩摩藩を代表する銘品でした。その伝統を生かし、鹿児島ではやっと焼酎が販売されるようになり、販売を目的とした蔵ができてきます。この時代に合わせて登場したのが黒瀬杜氏の集団です。黒麹を使い従来の黄麹よりも質の良い焼酎を造ることで商業化がさらに進みました。麹米や仕込み方法にも改良を加え焼酎の品質向上が一気に進みました。鹿児島のみならず九州全域の蔵元から声がかかるようになり、杜氏集団はやがて300名を超える規模となります。その創世記に活躍したのが黒瀬金次郎であり、鹿児島酒造㈱黒瀬杜氏伝承蔵の総杜氏黒瀬安光は三男にあたります。 さて、鹿児島県産芋焼酎「鹿」(ろくすい)をご紹介しましょう。さつまいもは鹿児島県内の契約栽培、米麹は焼酎麹の育成に最適な水分量に仕上がる華麗米を使用しました。すべて鹿児島産の原料を吟味して使うことにより麹の働きが隅々まで行き渡り、麹米 ・酵母・さつまいもの特徴が遺憾なく発揮された完成度の高い焼酎に仕上がりました。これぞ薩摩いも焼酎の真骨頂です。

更新日時 : 2018年11月09日
カテゴリ : 日本のお酒

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