文政6年(1823年)現在の石川県白山市で、手取川水系の水を利用し、多くの水車を回して精米したことを語源とする車多酒造が創業しました。天狗舞山廃仕込純米酒は、ロンドン2011IWC純米酒部門で最高賞を獲得しています。現在機械化が進み麹の酵素が白米に吸収されるのが簡単になりましたが、車多酒造は、蒸した米、麹、水を混ぜ粥状になるまですりつぶす山廃仕込みを続けています。そのため、山廃仕込み特有の濃厚な香味と酸味の調和のとれた個性豊かな純米酒となりました。
「天狗舞」 日本酒ならば何でも美味いと思う私でも、この純米吟醸酒には、シャンパンの最上品よりも脱帽したい気分になる。そして、私は訪れたことはなくても、石川県の白山の奥にはほんとうに天狗がいて、コワイ天狗もこの酒を飲むと舞い始めるのだと、その様子まで見えるような想いになる。季節ならば、いつなのだろう。積もった雪が白く輝やく、冬の夜だろうか。だから、死んでも「てんぐまい」になんて、改めてくれるなと思う。
以上は、漢字の美しさについて書かれた塩野七生女史のエッセイの一部です。天狗舞飲みたいな!
更新日時 : 2016年05月31日
カテゴリ : 日本のお酒