白樺の活性炭でジーズネンナヤ・ヴァーダー(命の水)つまりウオッカを濾過する製法が開発された時は、エカチェリーナ2世のもとロシアが段々強国になっているときでした。エカチェリーナ2世は、プロイセンの小貴族の娘でしたが、ピュートル3世と結婚しました。ところが、夫のピュートルは、反ロシア的であり、反ギリシア正教的であり、またエカチェリーナを皇后の座から降ろそうとしたため、彼女はクーデターをおこしました。エカチェリーナは、軍服の男装で軍を鼓舞し、ロシアの国益のみを図る啓蒙女帝となりました。そのエカチェリーナの積極性あるいは進取性のせいか、当時ウオッカもフレーバーウオッカを生み出しました。その中に、クリミア産のリンゴと梨の葉を浸漬し、ポートワインや砂糖シロップそして3年熟成のアルメニア産のブランデーをブレンドしてオーク樽で3年以上熟成させて作られるスタルカというウオッカがあります。ほかのウオッカにはない香りと、豊かなコクをもち、さらに辛口です。スタルカは帝政ロシアの名残があるためか、ソ連時代はオールドウオッカと呼ばれていました。ソ連が崩壊してしばらく終売となり、幻の銘酒でした。2009年スタルカとして復刻しました。ロックでも十分美味しいですが、冷凍庫で十分冷やしてドロッとしたスタルカをストレートで飲むのが通だそうです。
更新日時 : 2016年06月17日
カテゴリ : 世界のお酒