三角柱のボトルと言えばグレンフィディックですが、その姉妹品のブレンデッドウイスキー、バランスがとれた円やかなスコッチウイスキー、アルコール臭もピート臭もなく、安くて癖が無く日本人好み、それがグランツです。グランツを飲みながら、英国EU離脱について、思いを馳せました。グラスゴー地区はスコットランドの重要地域ですが、離脱の投票が多かったようです。グラスゴーは18世紀の大経済学者アダム・スミスの研究拠点となった地です。日本では見えざる手ばかりが有名ですが、国富論を読むと、大陸の重商主義批判が主要論点であることが分かります。そして、彼は大学教授でもあり関税官吏でもありました。そのためか、目は新大陸に向かい、英国が海洋国家であることを深く認識していました。アダム・スミス先生も国民投票をすれば、離脱に投票しそうです。英国は18世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパ大陸には深くかかわろうとせず、大西洋から、7つの海に乗り出し、パクス・ブリタニカを実現します。英国が他国と同盟を結んだのは1902年の日英同盟が最初です。しかし、第2次世界大戦以降、英国は戦勝国であり連邦であるためか米国の援助がなく、経済的に大変苦しくなり、1960年代ECに参加しようとします。そこに立ちはだかったのがフランスのドゴールです。ECに参加したのは1970年代ドゴールが死去した後になります。ECの後継体がEUですが、英国にとってEU参加は、大陸とは離れていたい、海洋国家でありたいという歴史的願望とは反するものです。離脱は必然かもしれません。
更新日時 : 2016年06月25日
カテゴリ : 世界のお酒