イギリスのグレートブリテン島の西側にアイルランド島があり、英国の北東部6州を除いて、アイルランド共和国です。首都はダブリンですが、そのダブリンのボウ・ストリートの蒸留所で、1780年、ジョン・ジェムソンが蒸留を3回繰り返すことでウイスキーが理想的な仕上がりになることを発見しました。ウイスキーは、ゲール語「ウシュク・ベーハー」(命の水)に由来しますが、蒸留所内を流れるダンガーニー川の水が生命線であり、アイリッシュ産の大麦と良質の水とトウモロコシを原料として、スコッチウイスキーの蒸留が2回のところ、3回にしてよりなめらな口当たりにしたのがアイリッシュ・ウイスキージェイムソンです。アイリッシュウイスキーは、アイルランド島内で最低3年間熟成させなければなりません。ジェイムソンは、アメリカやスペインから輸入したバーボンやフォーティファイドワインの熟成に使われた古樽をカスクにして、「起こさないでください」の札を掲げて3年以上寝かせています。その間に、焦がした木やバニラ、シェリーの甘い香りを授けるわけです。なお、麦芽(モルト)を乾燥させるために、スコッチウイスキーはピート(泥炭)を使いますが、アイリッシュウイスキーは木材や石炭を使います。ピート独特の香りがフレーバーだと感じる人もいますが、日本人の多くは薬品臭がすると感じるようです。その点で言えば、アイリッシュウイスキーは、日本人好みのウイスキーと言えそうです。アイリッシュウイスキーの原点ジェイムソンをご堪能ください。
更新日時 : 2016年09月09日
カテゴリ : 世界のお酒