鯨が水を飲むように、大量の酒を呑むことを「鯨飲」(げいいん)と言います。そのうえさらに鯨が酔っ払ってしまえば、「酔鯨」になると言うことです。「酔鯨」という言葉は、もともと幕末の土佐藩主・山内容堂の雅号「鯨海酔候」からきています。“鯨のいる海の酔っぱらい殿様”という意味です。そんな名前を自らつけてしまうぐらいですから、容堂公は酒をこよなく愛していました。高知県・南国土佐は、決して酒造りに恵まれた環境ではありません。温暖な気候・多雨多湿の環境は、微生物の営みを利用する酒造りにおいてむしろ厳しい環境と言えます。このような厳しい環境の中で土佐の先人たちは志高く技を磨き,南国土佐にしか生まれ得ない土佐の清酒を誕生させました。その伝統を受け継いで明治時代初期創業の酔鯨酒造は容堂公のお酒を愛する心を引き継ごうと考えています。酔鯨純米吟醸高育54号は高知県産の酒米「吟の夢」で醸す純米吟醸酒です。素材の良さを引き出した旨みは淡麗でありながらもしっかりとした旨みを感じさせます。また爽やかな柑橘系の酸味とほのかな吟醸香は軽快な飲み口を演出します。なお、酔鯨純米吟醸高育54号は、高知県農業技術センターが、土佐の気候・風土に適合した吟醸酒用酒米として開発した「吟の夢」の開発当時のコードネームである『高育54号』を、そのまま酒名にした純米吟醸酒です。鯨の尾をシンボルマークにした酔鯨純米吟醸高育54号を酔っぱらってお楽しみ下さい。
更新日時 : 2017年05月19日
カテゴリ : 日本のお酒