日本のお酒

伊佐美の蔵元である甲斐商店は、鹿児島県伊佐地方伊佐市に蔵を構える、明治32年(1899年)創業の酒蔵です。この伊佐の地は、鹿児島県でも焼酎発祥の地と呼ばれ、この土地で造られる焼酎は伊佐焼酎と呼ばれ、地元で愛されてきました。出水山地の奥、川内川上上流の大口盆地は、鹿児島と思えない冷涼な気候で、薩摩の北海道とも呼ばれるほどです。この土地で甲斐商店は、伊佐美ブランド一本で100年以上、変わらぬ酒造りを続けています。伊佐美は、白麹製が主流だった時代から変わらず黒麹製を採用しています。それにより、黒麹らしい濃厚な味わいですが、クセも強くなくバランスが非常にとれています。使用されている芋は、一般的な鹿児島県産の黄金千貫です。レトロな印象のラベルとスタンダードな造りで、昔ながらの芋焼酎らしい素朴な味わいを感じさせます。伊佐美は、芋焼酎の王道らしい味わい。口当たり良く、滑らかな喉ごしを楽しめますが、あえて洗練され過ぎていない骨太な味わいも感じさせます。伊佐美の飲み方は、お湯割りかロックがオススメです。黒麹仕込みの芋焼酎らしい深みのある香りを感じることができます。

更新日時 : 2019年11月01日
カテゴリ : 日本のお酒

1980年代、国鉄が「ディスカバージャパン」のキャンペーンを展開しました。その一つが地酒ブームのさきがけ「越後三梅」といわれた清酒です。越後三梅とは、越乃寒梅(こしのかんばい)、雪中梅(せっちゅうばい)、そして峰乃白梅(みねのはくばい)です。今回紹介する峰乃白梅酒造の蔵の歴史は、寛永年間(1624~1643年)に遡ります。徳川幕府は3代将軍家光の治世です。この頃、越後三根山藩に酒を献上したとの記録が残ることから、じつに新潟市で380年にもわたって酒造りをしてきたことがわかります。さて、峰乃白梅純米吟醸は温長期醗酵により、酸度の少ないきれいな酒に仕上げられています。スッキリとした口当たりの良さと、吟醸香特有の上品で果実のような香りが楽しめます。秋刀魚の塩焼き、里芋の煮つけなどとよく合います。五百万石を使用しています。スーと飲めますよ。

更新日時 : 2019年10月25日
カテゴリ : 日本のお酒

吉永酒造は「五郎じいさま」こと、故、吉永五郎氏が明治41年に鹿児島県本土の東、東シナ海に浮かぶ甑島(こしきしま)で創業しました。創業時から使用している甕壺を用いて、丁寧な焼酎造りを行っています。しょだいらべるふっこく少量限定品の紅五郎(べにごろう)を紹介しましょう。今年の紅芋仕込みで使用したサツマイモの品種「高系14号」は、肥大性に優れ、早掘りが可能で、貯蔵性が非常に高い芋で加工用として優れています。果皮は赤みが強くやや厚みがあり、生イモの果肉はクリーム色をして粉質。糖度が高く、加熱すると黄色くホクホク感のある甘い芋になります。収穫時期は9月上旬頃から11月。2ヶ月ほど貯蔵したほうがデンプンが糖質に変わり甘みが増し美味しくなるサツマイモ品種です。これに手打佐ノ浦湧水「蛍水」と黒麹で造られたのが紅五郎です。旨いですぞ!

更新日時 : 2019年10月11日
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