スコットランドのスペイサイド地方ダフタウンにゲール語で鹿の谷を意味するグレンフィディックがあります。1886年ウイリアム・グラントは、グレンフィディック蒸留所を設立しました。そのため、グレンフィディックのボトルには牡鹿のシンボルがつけられています。グレンフィディック蒸留所は、家族だけで始めた小さなものでしたが、徐々に大きくなり、20世紀に入るとアメリカに輸出するほどになりました。ところが、1920年アメリカ合衆国は禁酒法を制定しました。グレンフィディックは、生産を減らすか、維持するか、増加させるか大変な選択の前にたたされます。ウイスキーの原酒は長い年月樽に寝かせる必要があるからです。結局グレンフィディックは果敢に増加させることにしました。1933年禁酒法の廃止とともに、良質な熟成されたウイスキーの需要が高まり、グレンフィディック蒸留所は確固たる地位を築くことになりました。1970年代、グレンフィディックはシングルモルトを独自にプレミアムブランドとして商品化し、シングル・モルト・ウイスキーという分野を作りました。現在グレンフィディックは世界で最も売れているシングルモルトです。グレンフィディック12年はアメリカンオークとスパニッシュオークの樽で最低12年間熟成させ、新鮮な洋梨のようなフルーティな香りと微量の樽香がもたらす複雑で上品な味わいが特徴です。美味しいウイスキーの定番ですが、ザ・グレンリベットとともにスコッチの本道と言えましょう。
更新日時 : 2016年04月28日
カテゴリ : 世界のお酒