焼酎には、黒麹、白麹、黄麹の3種類があります。黒麹は、琉球から九州に伝わったといわれています。雑菌の繁殖やもろみの腐敗を防ぐクエン酸を作り出す力がとても強い菌です。一般に、黒麹を使っての焼酎は、パンチのきいたインパクトのある味、コク、飲んだ後のキレの良さが際立つ焼酎を造る事が出来ます。白麹は、黒麹菌から突然変異で生まれた菌を培養したもので、九州で主に使われています。黒麹よりも酵素力に優れていることや、黒麹は胞子が飛んで作業する人の衣服や蔵が汚れるといったデメリットがあったため、そんな心配のない白麹がどんどん使われるようになっていきました。穏やかでマイルド、芋らしい味わいの焼酎ができると言われている。黄麹は、通常は清酒、日本酒造りに用いられ、クエン酸を含まず腐敗しないため、焼酎には不向きとされていましたが、フルーティーな香り、味わいが評価され、黄麹を使用した焼酎が最近登場してきています。昭和45年8月、鹿児島県伊佐市の大口及び菱刈の酒造会社11事業所( 10法人1個人)が協業組合を発足させ、平成19年12月に株式会社に組織変更したのが大口酒造です。その大口酒造の主力商品が黒伊佐錦です。麹造りに伝統的な黒麹を使用し、華やかな香りと、コクのあるまろやかな口あたりの「黒麹仕込み 黒伊佐錦」。現在の黒ブームの先がけとなった商品です。黒麹特有のコク、甘味等の味が捨てがたく製造技術(特に温度管理)の発達によって、以前より安定した麹作りができるようになった事、また消費者の焼酎に対する嗜好の多様化によって今改めて黒麹の特性が見直されています。焼酎好きの焼酎黒伊佐錦と言えるでしょう。
更新日時 : 2017年02月24日
カテゴリ : 日本のお酒