神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世は、イスラムに大変融和的であり、また科学的に物事を対処する人でした。しかし、時は十字軍真っ盛りの時期。ローマ法王から破門を下されましたが、フリードリッヒは破門十字軍を率いてイスラム軍と対峙しアル・カミールとの交渉でエルサレムを無血返還させました。しかし、ローマ法王は血を流さなかったことを許せませんでした。なにしろ後に魔女狩りで悪名高き異端裁判所を創った当時のローマ法王ですから、法王と皇帝の争いはフリードリッヒの死後も続きました。フリードリッヒの息子コンラッドも26歳で亡くなるまで、法王との争いで終始しました。さて、コンラッドは 1254年イタリア中東部にアクイラという都市を創建し、その地は経済的に繁栄していました。アクイラは、現在ラクイラと呼ばれ、アブルッツォ州の州都です。ここに、トレビアーノ・ダブルッツォという白ワイン用ブドウ品種があります。酸味が強く、非常にフルーティで、柑橘系などのさわやかな風味です。この品種から生産されているワインにヴィラ・オッタヴィア トレヴィアーノ・ダブルッツォがあります。洋ナシ、リンゴなどの心地よい果実の香り、さらにフローラルなニュアンスがあります。綺麗な酸とミネラルや果実味とのバランスのよい味わいが余韻を残します。安くて爽やか、日本人好みのワインです。
更新日時 : 2017年03月03日
カテゴリ : 世界のお酒