ブランデーは、果実酒から造る蒸留酒の総称です。フランス語で焼いたワインの意である「ヴァン・ブリュレ」が、オランダやイギリスに持ち込まれた際に変化し、ブランデーとなって広まりました。フランスには、「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」という3大ブランデーがあります。フランスの特定の地方で生産されるブランデーのうち、AOC(原産地呼称統制法)という法律の規定をクリアしたものだけが「コニャック」「アルマニャック」とつけることが許されます。また、「カルヴァドス」はリンゴを原料とするブランデーです。さて、マーテルは、コニャックのメーカーの中でも1715年に創業と最も古い歴史をもちます。創業当時は地元で愛されていたブランデーでしたが、次第に貴族愛飲のブランデーにまで成長したことから、コニャック地方の中でも特別な存在とされています。マーテルVSOPは、19世紀初頭に初めて製造され、以来、コニャック地方で最も優れた4つの畑から収穫されるブドウをブレンドするという独自の伝統を、今もしっかりと守って作られています。ライムやリコリスを思わせる、ほろ苦さもありながらも柔らかな香りと砂糖漬けにしたフルーツやナッツの香りです。柔らかく芳醇で複雑な味わいと骨格を感じるしっかりとした味わいで、長く余韻が続きます。なお、フランス語で天翔けるツバメは「Marlette」と書き、マーテル(Martell)と発音が似ていたため、天翔けるツバメがトレードマークになったようです。
更新日時 : 2017年08月11日
カテゴリ : 世界のお酒