スコットランドのスペイサイドは良質の水があり、蒸留所の多いところです。日本で言えば、宮水の灘と言ったところでしょうか。そのスペイサイドの一角にスムースな流れの谷と呼ばれる場所があります。すなわちリベット川の谷グレンリベットです。リベット川はラダーヒルズに高く浸みだし、曲がりくねってエーボンに流れ込んでいきます。このリベット川沿いに蒸留所を構えるジョージ・スミスは、企業家魂に富む度胸のある男でした。彼はジョージ4世の所望をチャンスと思い、彼の蒸 留所で作られたウイスキーを献呈しました。ジョージ4世の側近たちは、そのウイスキーを違法ともできず、1824年ジョージ・スミスは蒸留酒製造業者のライセンスを取得しました。つまり、グレンリベットが公認スコッチウイスキーの第一号となりました。ところがです、周りの密造業者たちは、ジョージ・スミスは自由にビジネスを行えるのに、自分たちが依然として活動を隠さなければならないことに激怒しました。
更新日時 : 2015年12月12日
カテゴリ : 世界のお酒
昨年の9月スコットランドの独立が是か非かを問う住民投票が、否決されました。その300年位前の1707年グレイトブリテン王国が成立し、スコットランド王国はイングランドに併合されました。統治者イングランドはスコットランドのお酒に高額の税金を課しました。スコットランドの業者はとてもそのような税金を払えるものではありません。彼らは密かにお酒を醸造する密造者となりました。スコットランドのお酒は本来蒸留してすぐ販売する手軽なものでした。しかし、密造するようになり、すぐに販売できなくなりました。そこで、岩の多い山頂や切りだった山合いに隠れ、ピートにより保存をよくし、オーク材の樽で十分寝かし、こっそり出すようになったのです。密造により、スコッチウイスキーの味は格段に増しました。密造をはじめて100年以上も経ったころです。スコットランドのウイスキーの美味しさを聞きつけたキングジョージ4世はスコットランドのウイスキーを所望しました。しかし、違法なウイスキーですから誰もウイスキーを持って名乗り出ません。
更新日時 : 2015年12月11日
カテゴリ : 世界のお酒