アベラワー蒸溜所は、スコットランドのスペイサイドのスペイ川の中流のほとりにあり、グレンフィディックのあるダフタウンから北西に6kmほどのところにあります。1826年にジェームズ・ゴードンとピーター・ウェアによって創設されたものの、閉鎖や再建、20世紀になってからはいくつものメーカーに買収された後、1974年にシーバスブラザーズの傘下になっています。アベラワー10年は実は終売になっており、すでに蒸留所の公式サイトでは紹介、販売されておらず、ボトルデザインが改められてダブル・カスク マチュアードで12年ものからの販売になっています。実はその10年が数本手に入りました。グラスに注ぐと、液色は少し濃いアンバー、香りはライム、カラメルが鼻を通ります。口に含むと、アルコールの刺激は少なめで、まずはライム、レーズン、後からカラメル、バニラと続きます。味わいは、酸味とビターも感じ取れますが、主体となるのは甘さです。人によってはマッカランに似た傾向だと思う評価ですが、加水されるとそれが見える感じではありますが、それよりは甘さが強めで、ストレートでも飲みやすい印象です。一方で、ピートなどによるスモーキーな香りはほとんど感じられず、ウイスキー初心者でも受け入れやすいでしょう。
アイラ島の南側では典型的な、広大とも言えるピートのスモーキーさを持つ、評判のシングルモルトです。スモーキーさだけではなく、ドライさも併せ持ち、そのドライさがラガヴーリンを本当に魅力的なドラム(一杯)にしているのです。ラガヴーリンはオークカスクの中で最低でも16年熟成され、情熱的でスモーキーな甘みを感じさせるシングルモルトです。海藻の香味と広大なフィニッシュを併せ持ちます。アイラ・スコッチのお好きな方にお勧めです。
更新日時 : 2019年03月22日
カテゴリ : 世界のお酒
ロッホナガー蒸留所は1845年に創立しました。ヴィクトリア女王とアルバート公がここを訪れ、王室御用達の証”ロイヤル”の冠を授与された蒸留所です。スコットランドの老舗蒸留所では3番目に小さく、スコットランドのシングルモルトウイスキーの中で最も希少性の高い銘柄の1つです。今でも伝統的な開放式のマッシュタン(麦芽糖化槽)、蒸気加熱の蒸留器、ワームタブ(蛇管型冷却装置)を使用し、そのモルトウイスキーにハイランドモルトの際立った特長を与えています。最初は甘く、しかしすぐにピリッとした酸味が追いついてくる心地よい味わいです。後味はさっぱり。魅惑的な白檀の香りが尾を引くやや長めの余韻があります。
更新日時 : 2019年03月08日
カテゴリ : 世界のお酒