「赤ひげ診療譚」や「樅ノ木は残った」等多くの時代小説を描いた山本周五郎は、オールドパーをこよなく愛し、小説を書きながらオールドパーを飲んでいたことは有名です。19世紀末オールドパーの創業者のグリーンリース兄弟は、ウイスキーに不朽の価値を与え、末永く後世に届けたいとの願いを込めて、当時ロンドンで人気を博したブレンデッドウイスキーに「オールドパー」と名づけました。「オールドパー」とは、15世紀から17世紀に
かけて152歳の長寿を全うし、英国史上最長寿といわれた伝説の人物「トーマス・パー」の愛称です。オールドパーのラベルには、彼の生きた年号(1483-1635)と、10人の英国王の時代に生きたという伝説が記されています。彼の長寿をウイスキーの熟成に、培ってきた叡智をブレンド技術になぞらえて、まさに時代を超えて愛されるスコッチウイスキーが誕生したのです。バロック派を代表する画家のルーベンスによって描かれた彼の肖像は、時代を超えて誇り高く伝えられた継承のしるしとして、今もなおボトルに描かれています。オールドパー12年は調和のとれた柔らかな味わい、奥行きのある香りと長い余韻は、和食とも好相性です。ブラッドオレンジや金柑のすっきりした甘さと、ほのかな蜂蜜の香り。柔らかな舌触りの先に、暖かみのある余韻が続きます。水を加えることで心地よい香りがさらに広がり、最後にかすかなスモーキーさが感じられます。ストレートやロック、ソーダ割りの他、ウイスキー1:水2の水割りでお楽しみください
更新日時 : 2019年08月02日
カテゴリ : 世界のお酒
米国ケンタッキー州のジョセフ・ワシントン・ダントによって生み出されたJ.W.ダント・ボンデッドを紹介しましょう。ダントは現在でも主流となるバーボン製法「サワーマッシュ方式」の発明者と言われており、1836年にこの方式を発明しました。現在ではヘヴン・ヒル社の傘下に入りましたが、当時と変わらないこだわりのバーボンを生産しています。サワーマッシュとは蒸溜の際に生じた蒸溜残液(もろみ)を、新しく糖化させようとするコーンなどの仕込み水に25%ほど加える方法です。これにより香味が増し、まろやかさが生まれます。このボンデッドは、1897年に制定された当時の連邦アルコール法(現在は廃止されています)に基づいた方法で生産しています。同じ蒸留所の原酒を4年以上熟成し、政府監督下の保税倉庫でアルコール度100プルーフ(50度)でボトリングされた製品です。樽香がかすかに感じられるボディとコクのある味わいです。ソフトな口当たりでクセのない、キレの良さを持つ1本です。
更新日時 : 2019年07月19日
カテゴリ : 世界のお酒
1857年、ウォルターとアルフレッドのギルビー兄弟がロンドンのソーホーでW&Aギルビー社を設立しました。連続蒸留器の急速な進歩にともない、イギリスで純度の高い“ロンドンドライジン”が拡大していきました。それに合わせて、1872年W&Aギルビー社は、カムデンタウンにジンの蒸留所を建設し、ギルビー家秘伝のレシピでロンドン・ドライ・ジンを完成させました。12種類もの植物成分をふんだんに使用し、柑橘系の爽やかな味わいを誕生させたのです。皆さまお好きなジントニックのレシピを紹介します。材料は、ジン 45ml、トニックウォーター 適量、カットライム、氷です。作り方は氷をいれたグラスに材料を注ぎ、軽くステアするだけです。最後にカットライムを飾ります。簡単でしょう。
更新日時 : 2019年07月05日
カテゴリ : 世界のお酒