アベラワー蒸溜所は、スコットランドのスペイサイドのスペイ川の中流のほとりにあり、グレンフィディックのあるダフタウンから北西に6kmほどのところにあります。1826年にジェームズ・ゴードンとピーター・ウェアによって創設されたものの、閉鎖や再建、20世紀になってからはいくつものメーカーに買収された後、1974年にシーバスブラザーズの傘下になっています。アベラワー10年は実は終売になっており、すでに蒸留所の公式サイトでは紹介、販売されておらず、ボトルデザインが改められてダブル・カスク マチュアードで12年ものからの販売になっています。実はその10年が数本手に入りました。グラスに注ぐと、液色は少し濃いアンバー、香りはライム、カラメルが鼻を通ります。口に含むと、アルコールの刺激は少なめで、まずはライム、レーズン、後からカラメル、バニラと続きます。味わいは、酸味とビターも感じ取れますが、主体となるのは甘さです。人によってはマッカランに似た傾向だと思う評価ですが、加水されるとそれが見える感じではありますが、それよりは甘さが強めで、ストレートでも飲みやすい印象です。一方で、ピートなどによるスモーキーな香りはほとんど感じられず、ウイスキー初心者でも受け入れやすいでしょう。
櫻正宗は寛永二年(1625年)に伊丹荒牧村(現・兵庫県伊丹市)に創醸しておよそ400年、江戸時代末期には本拠を神戸の上灘(現・魚崎郷)に移し、 灘の銘酒として杜氏の思い入れの品々を世に送り出してまいりました。宮水を発見し、味に定評のある櫻正宗は、この度櫻正宗本醸造菰豆樽300mlを作りました。御代変わりを寿ぐ商品です。
福島県二本松市の大七酒造は、米のうま味をとことん追求した渾身の木桶仕込み生酛純米酒を作りました。それに天命を楽しむ、「楽天命」と名付けました。本当に美味しい純米酒を造るには、規格を満たしただけの平凡な吟醸よりも遙かに手間も技術も要することを、大七酒造は知っています。正しく扁平に精米した米を、高温の和釜で強く蒸し、そして伝家の生酛造りと木桶が米に命を吹き込みます。そして大切なのは、熟成により成長するうま味です。まろやかで華やぎがあり、しかも複雑で奥深い美味しさこそが、本物の証しです。
更新日時 : 2019年03月29日
カテゴリ : 日本のお酒