酒店日記

オールドウオッカエカチェリーナ2世白樺の活性炭でジーズネンナヤ・ヴァーダー(命の水)つまりウオッカを濾過する製法が開発された時は、エカチェリーナ2世のもとロシアが段々強国になっているときでした。エカチェリーナ2世は、プロイセンの小貴族の娘でしたが、ピュートル3世と結婚しました。ところが、夫のピュートルは、反ロシア的であり、反ギリシア正教的であり、またエカチェリーナを皇后の座から降ろそうとしたため、彼女はクーデターをおこしました。エカチェリーナは、軍服の男装で軍を鼓舞し、ロシアの国益のみを図る啓蒙女帝となりました。そのエカチェリーナの積極性あるいは進取性のせいか、当時ウオッカもフレーバーウオッカを生み出しました。その中に、クリミア産のリンゴと梨の葉を浸漬し、ポートワインや砂糖シロップそして3年熟成のアルメニア産のブランデーをブレンドしてオーク樽で3年以上熟成させて作られるスタルカというウオッカがあります。ほかのウオッカにはない香りと、豊かなコクをもち、さらに辛口です。スタルカは帝政ロシアの名残があるためか、ソ連時代はオールドウオッカと呼ばれていました。ソ連が崩壊してしばらく終売となり、幻の銘酒でした。2009年スタルカとして復刻しました。ロックでも十分美味しいですが、冷凍庫で十分冷やしてドロッとしたスタルカをストレートで飲むのが通だそうです。

更新日時 : 2016年06月17日
カテゴリ : 世界のお酒

出羽桜本生生酒らしい華やかな香りと味わいで、日本酒度5度酸度1.2ですから典型的な淡麗辛口です。出羽桜酒造は、火入れつまり加熱処理をして火落菌などの雑菌を抑えた桜花吟醸酒と、全く加熱処理せず本来の香りと味わいを重視する本生の桜花吟醸酒を生産していますが、今回ご紹介するのは後者の本生です。本生は加熱処理をしていませんので、要冷蔵、お早めにお飲みください。要冷蔵は面倒ですが、一度飲まれるとその華やかさの虜になるでしょう。

更新日時 : 2016年06月11日
カテゴリ : 入荷情報,日本のお酒

天狗舞純米酒文政6年(1823年)現在の石川県白山市で、手取川水系の水を利用し、多くの水車を回して精米したことを語源とする車多酒造が創業しました。天狗舞山廃仕込純米酒は、ロンドン2011IWC純米酒部門で最高賞を獲得しています。現在機械化が進み麹の酵素が白米に吸収されるのが簡単になりましたが、車多酒造は、蒸した米、麹、水を混ぜ粥状になるまですりつぶす山廃仕込みを続けています。そのため、山廃仕込み特有の濃厚な香味と酸味の調和のとれた個性豊かな純米酒となりました。

天狗舞」 日本酒ならば何でも美味いと思う私でも、この純米吟醸酒には、シャンパンの最上品よりも脱帽したい気分になる。そして、私は訪れたことはなくても、石川県の白山の奥にはほんとうに天狗がいて、コワイ天狗もこの酒を飲むと舞い始めるのだと、その様子まで見えるような想いになる。季節ならば、いつなのだろう。積もった雪が白く輝やく、冬の夜だろうか。だから、死んでも「てんぐまい」になんて、改めてくれるなと思う。

以上は、漢字の美しさについて書かれた塩野七生女史のエッセイの一部です。天狗舞飲みたいな!

更新日時 : 2016年05月31日
カテゴリ : 日本のお酒

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