1765年、フランス語ではリシャール、英語ではリチャード・ヘネシーは、メゾンヘネシーを創業しました。なお、創業者の名前をとったリシャール・ヘネシーというブランデーもあります。さて、1817年まだプリンス・オブ・ウェールズ(英国の皇太子を指します)だった後のイギリス国王ジョージ4世は、コニャックをこよなく愛していました。王子はヘネシーに「Very Superior Old Pale――非常に優れていて、古くて、澄んでいる――コニャック」が醸造できないかと尋ねました。以来、この頭文字を採ったVSOP――Very Superior Old Pale――がコニャックの基準を示すものとして業界全体で使われるようになりました。ヘネシーのコニャックは、コニャック地方でのみ造られています。まず重要なのは、ブドウの木です。ここではユニブランという品種が作られています。ライトでフルーティーなブドウは、銅製蒸留器で2段階蒸留するのに適しています。このアロマは洗練されて変化に富み、第一等級の4つの畑で作られたオー・ド・ヴィーのみを厳選して造られるヘネシーのコニャックは、洗練され、多彩なアロマを放ちます。次に熟成です。熟成期間は、時に人間の一生より長く、先見性や想像力が試されます。ヘネシーのセラーでは、樹齢100年を超えるフランス原産のオークの木から作られた大樽が、ほのかな明りの中で重厚な香りを漂わせています。ファウンダーズ・セラーは、ヘネシーの伝統である、時を超えるという精神を表しています。これらのオー・ド・ヴィーはすべて、短いもので50年、長いものでは100年以上熟成されています。一番上には、たぐい稀な品質を保つためのデミジョン(かごでくるんだガラス製の大瓶)が置かれています。これは、次のコニャックを作るために使われます。伝統と高級感、ヘネシーVSOP!
更新日時 : 2018年01月05日
カテゴリ : 世界のお酒
地元北九州市の八幡東区景勝町にある溝上酒造は、今年の福岡県酒類鑑評会で、純米大吟醸酒の部で「清夜の吟」、大吟醸酒の部で「風の吟」、吟醸酒・本醸造酒の部で「夢天心」、純米吟醸酒・純米酒の部で「天心純米酒」「天(あま)の宙(そら)」「天心特別純米酒」のなんと6種類が金賞を受賞しました。 今回は純米吟醸天の宙(あまのそら)を紹介しましょう。米のふっくらした輪郭ときれいな酸が特徴で、食中酒向きのお酒です。味はいわゆる福岡のお酒らしい、芳醇うまくち系です。原料米には、福岡県でしか作られていない「夢一献」を使用しています。精米歩合は60%で、アルコール15度、日本酒度+1、酸度1.7ですから、甘くも辛くもなく、皆が飲みやすいお酒と言えましょう。冷酒やぬる燗で飲んで下さい。地元の食品を地元のお酒で味わう、まさに和食至福のときです。
更新日時 : 2017年12月29日
カテゴリ : 日本のお酒
45年以上も前、最初に飲んだウイスキーはサントリーレッドでした。当時、ウイスキーにも1級2級の格付けがあり、レッドは2級でした。角は特級で、贈答品に使っていました。そんな時代、ある友人が「ジャックダニエルは旨いよ」と言いました。当時、私は酒屋の息子であるにもかかわらず、スコッチとバーボンがあることも知らず、「へえ、カッコイイ名前のウイスキーだな」と思いました。バーボンいやテネシーウイスキーの定番中の定番がジャックダニエルであることを知ったのは、ずっと後でした。1850年、テネシー州リンチバーグでジャスパー・ニュートン・”ジャック”・ダニエル(1850年-1911年)は貧困な家庭で生まれ、家族の友人に預けられ7歳からルター教会の牧師であり蒸溜所のオーナーであったダン・コール家に雇われる事となりました。それをきっかけにジャック・ダニエルはダン・コールからテネシー・ウイスキー独自の製造法である原酒を樽詰めする前にサトウカエデの炭でろ過する「リンカーン郡製法」と呼ばれるチャコール・メローイング製法でのウィスキーの造り方を教わりました。1863年9月には牧師としての仕事に専念するためにダン・コールは、13歳であったジャック・ダニエルに蒸溜所を譲り、そこからジャック・ダニエルとしての本格的なウィスキー造りが開始されました。1866年には自身で作ったウイスキーを自分の名前を刻んだ陶器のジャグに詰め込み販売を始め、同年に政府が酒類にも課税すると見込み蒸溜所を政府に登録し、アメリカにおいては初の政府公認の蒸溜所となりました。ジャックダニエル・ブラックがメジャーになったのは、1904年のセントルイス万国博覧会で、世界のウイスキーの中で唯一の金賞を受賞したからです。アメリカを体現するお酒ジャックダニエル・ブラックをどうぞ!
更新日時 : 2017年12月22日
カテゴリ : 世界のお酒